宵宮には、湯立という湯花進献式が執行される。正徳元年(1711)九月三・四日の遷宮式挙行の時、 湯立神楽を奉納しているので、古くから行われていたのであろう。湯立はもともとは探湯(くがだち) という古代裁判の方法のひとつである。式は午後7時ごろから神主、氏子惣代、各組の世話役が神社 に集まって行なう。まず湯立の釜を社前に用意する。口径一尺六寸五分の二斗釜を、八寸角の鉄棒 三本を地面に刺して作った五徳の上に置き、湯を沸かす。神主は熊笹12〜3本を束ねて二把作り、 白紙を細かく切り三宝に山盛りにし、さらに麻を細かく切って混ぜ、この二品を神前に供えて 祈祷をする。笹を両手に持って祈祷をしながら湯を掻きまわし、それから湯の釜の前で、 笹を振りかざし終わると産宝の紙片を散華して式は終了する。この湯を目に付けると眼病が治るという伝えがある。 |